C4植物(読み)シーよんしょくぶつ(英語表記)C4-plant

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「C4植物」の意味・わかりやすい解説

C4植物
シーよんしょくぶつ
C4-plant

光合成能率の高い特有の反応経路をもつ植物群。トウモロコシサトウキビなど,強光下で育つ重要な作物がこれに属するので,ことに熱帯地方などでの作物の光合成能率に関して,重視されている。光合成の高能率は,低濃度の炭酸ガスを有効に利用できるからで,これは葉肉細胞中で,リンエノルピルビン酸 (炭素C原子3個,C3 化合物) に炭酸ガスを固定してオキザロ酢酸,リンゴ酸アスパラギン酸 (いずれも C4 化合物) にする酵素活性が強く,これら C4 物質が維管束細胞に入っていって,光合成のカルビン回路に炭素を与えるからである。また通常の植物 ( C3 植物) の光合成の際に著しい光呼吸──カルビン回路の中間産物が酸素で酸化されることにより,暗時よりも酸素消費が高まってしまう現象で,光合成系の漏れを示している──も C4 植物では低い。ほかにも,光飽和に達してしまう光量は C4 植物のほうが大きく,水分の蒸散速度は C4 植物のほうが低いなど,さまざまな有利な特性をもつ。

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