ハナトリカブト(読み)はなとりかぶと

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハナトリカブト」の意味・わかりやすい解説

ハナトリカブト
はなとりかぶと / 花鳥兜
[学] Aconitum carmichaeli Debx.

キンポウゲ科(APG分類:キンポウゲ科)の多年草。中国原産。有毒植物で植物全体に毒を含むが、とくに根に多い。茎は直立し、高さ0.6~1.5メートル。葉は質が厚く光沢があり、長さ6~11センチメートル、深く3裂する。9~10月、茎の先に総状花序をつくり、青紫色の花を多数密集して開く。花柄には細かい曲がった毛が密生する。ほかのトリカブト類に比べて花が大きく美しいためにこの名がある。茎の先に大形の花が密集してつくため、キクに見立ててカブトギク、あるいは、中国原産であるため、日本産のトリカブトと区別してカラトリカブトともいう。いけ花や切り花に用いる。漢方薬烏頭(うず)や附子(ぶし)は、この植物の根を減毒して乾燥させたものである。

[門田裕一 2020年3月18日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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