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有毒植物 ゆうどくしょくぶつpoisonous plants

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

有毒植物
ゆうどくしょくぶつ
poisonous plants

高等植物で有毒な物質を含むもの。シキミドクウツギトリカブトドクゼリチョウセンアサガオヒガンバナ,ケシなどいろいろあり,その成分の確認されたものも少くない。また古来その適量を薬用にあててきたものも多い。たとえば,ジギタリス薬用植物であって,その成分のジギトキシンなどは心不全に用いられるが,用量や対象症状が不適当であれば,容易に中毒をきたす。

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百科事典マイペディアの解説

有毒植物【ゆうどくしょくぶつ】

人間や動物にとって有毒な成分を含む植物。触れると皮膚炎症を起こしたり,食べると中毒して麻痺(まひ),けいれん窒息嘔吐(おうと)などの症状を起こさせたり,ときには死亡させるものをいう。

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世界大百科事典 第2版の解説

ゆうどくしょくぶつ【有毒植物 poisonous plant】

植物体の全部あるいは一部に有毒成分を含み,人間や動物がそれを食べたりさわったりすると,中毒や皮膚炎をおこさせる植物。広義にはキノコを含むこともある。有毒植物はまた同時に薬用植物となるものが多い。 食糧の確保という絶対的な必要性から身辺にある有毒植物に対する認識はおそらくは人類の歴史の初めからあったにちがいない。植物毒に対する関心は他の生物毒にくらべてはるかに高く,知識の増加に伴って有毒植物による中毒被害は年々確実に減少しているが,それでもいまだに日本で年間約100件を数える中毒の報告がある。

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大辞林 第三版の解説

ゆうどくしょくぶつ【有毒植物】

人間や動物に対して有毒な成分を含む植物の総称。有毒成分はアルカロイドに属するものが多く、用い方によっては薬になるものもある。トリカブト・マチン・チョウセンアサガオ・ドクウツギ・アセビ・ウルシなど。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

有毒植物
ゆうどくしょくぶつ

植物の一部または全体に有毒な成分を含む植物をいい、草本植物の場合は、毒草ともいう。有毒植物は古くから人類に知られ、矢毒のほか、死刑執行、毒殺などにも利用されてきた。キンポウゲ科のトリカブトは全草有毒であるが、とくに種子と根の毒性が強く、アイヌはこれを捕鯨や熊(くま)狩りの矢毒とした。また、死刑の宣告を受けたギリシアの哲学者ソクラテスは、セリ科のドクニンジンの煮汁を飲んで死んだといわれている。日本には近縁種のドクゼリが野生するが、早春になるとこれをセリと間違えて食し、死亡することもある。マメ科の牧草であるシロツメクサの若芽、ミヤコグサなどには青酸配糖体が含まれており、これを飼料とした家畜が倒れる例もある。青ウメなどを生食すると、含有成分が胃酸で加水分解され、胃の中に青酸を生じるため人体に有毒となるが、塩漬けなどの加工をすると、有毒成分はほとんど失われてしまうので中毒の心配はない。経口的な有毒植物がもつ有毒成分の多くはアルカロイド(トリカブト、タバコなど)や配糖体(キョウチクトウ、ウメ、アセビなど)で、強い苦味があるが、ドクウツギの有毒成分のように苦味のないものもある。有毒植物にはこのほかに接触によってかぶれたり、皮膚炎をおこすものがある。イラクサ類では全草を覆う刺毛にギ酸などを含んでいるし、ウルシ類の樹皮からはフェノール性化合物が分泌される。これらは、いずれもかぶれの原因となる有毒成分である。風媒花のマツやスギの花粉は、アレルギー体質の人にとっては、やはり有毒植物である。
 日本に野生する有毒植物は、猛毒から微毒のものまで含めると約200種あり、毎年数百人の中毒事故が記録される。しかし、有毒植物の多くは、適量を用いれば、かえって人体にとって薬効を示すものであり、この観点からすれば、有毒植物と薬用植物との区別はつけにくいといえる。最後に、中毒症状例と、原因となるおもな植物名をあげる。めまい(ドクゼリ、ドクムギ)、けいれん(ドクウツギ、ドクゼリ、トリカブト)、全身麻痺(まひ)(ケシ、トリカブト)、呼吸麻痺(ケシ科、トリカブト、ヒガンバナ、トウゴマ)、精神錯乱(チョウセンアサガオ、トウダイグサ科)。[杉山明子]

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世界大百科事典内の有毒植物の言及

【薬用植物】より

…したがって薬用植物とは人間および動物に対して,特殊な生理作用を有する植物ということもできる。少量で人間や動物を死なせたり,あるいは損傷するものを特に有毒植物というが,それは使い方によっては薬物となる可能性のあるものである。しかし薬用植物とそうでない一般の植物の境界は明らかでない。…

【有用植物】より

… 植物には人間の神経系に作用し,幻覚などの陶酔麻薬作用を有するものが多数あり,その作用の軽いものはタバコ(ニコチン)やコーヒー(カフェイン)のような飲用や吸引による利用が広く行われている。薬用植物
[有毒植物]
 薬用植物と有毒植物とは,多くの場合明確に区別しがたいものである。誤って食べると有毒な植物は多いが,そのような種であっても毒抜きをして食用にしたり(ヒガンバナ),あるいは少量を使用して薬用にする(トリカブト)例は多い。…

※「有毒植物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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