烏頭(読み)ウズ

精選版 日本国語大辞典 「烏頭」の意味・読み・例文・類語

う‐ず‥ヅ【烏頭】

  1. 〘 名詞 〙 トリカブト類の根。有毒でアルカロイド一種アコニチンを含有し、痛風脚気利尿剤または殺虫剤麻酔薬にする。アイヌはぶす(狂言附子(ぶす)」で有名)として狩猟に使った。〔本草和名(918頃)〕
    1. [初出の実例]「元日御薬 中宮准此〈略〉 烏頭一両二分」(出典延喜式(927)三七)

からす‐がしら【烏頭】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「烏頭」の訓読 ) 馬の後足外部に向かった関節。くわゆき。
    1. [初出の実例]「をりふし塩ひるさかりなれば、馬のからすがしら、ふと腹にたつ処もあり」(出典:平家物語(13C前)一一)

くわ‐ゆきくは‥【烏頭】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 馬の後脚の外側に向いてとがった関節。からすがしら。〔十巻本和名抄(934頃)〕
  3. 植物「とりかぶと(鳥兜)」の古名

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の烏頭の言及

【毒矢】より

…アフリカではキョウチクトウ科の植物が中心であり,Tanghinia veneniferaの種子から採るタンギン(ケルベラ・タンギンともいう),Strophanthus gratusの種子やAcocanthera schimperiなどの樹皮・樹幹から採るウワバイン,Strophanthus hispidusの種子から採るケルベラ,マメ科でフジに近縁のPhysostigma venenosumの種子であるカラバル豆などが用いられる。東アジアではトリカブトの根から採る烏頭(うず),附子(ぶし)が主役で,アイヌもこれを用いた。吹矢弓矢【藤島 高志】。…

【屠蘇】より

…肉桂(につけい),山椒(さんしよう),白朮(びやくじゆつ)(オケラの若根),桔梗(ききよう),防風(ぼうふう)などの生薬(しようやく)を配合した屠蘇散(とそさん)を清酒,または,みりんに浸して作る。中国唐代にはじまる習俗を伝えたもので,唐代には上記のほかに大黄(だいおう),虎杖(いたどり),烏頭(うず)(トリカブトの根)を加えて〈八神散〉と呼び,これを紅色の布袋に入れて,大晦日の暮れがた井戸の中につるし,元旦に引き上げて袋のまま酒に浸した。杯に注いで神に捧げ,〈一人これを飲めば一家疾なく,一家これを飲めば一里病なし〉と唱えて年少者から順に東に向かって飲んだという。…

【トリカブト(鳥兜)】より

…漢名の附子(ぶし)は,母根のまわりに子根のついた状態による。また,烏頭(うず)は,花の形と色にもとづく。 これにきわめてよく似ているA.chinense Paxt.は,花梗の毛が開出するだけの違いであり,一般に混用されているが,現在では栽培はまれである。…

【善知鳥】より

…〈ウトオ〉と発音する。喜多流は〈烏頭〉と書く。四番目物。…

※「烏頭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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