ハフス朝(読み)ハフスちょう(英語表記)Ḥafṣ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハフス朝」の意味・わかりやすい解説

ハフス朝
ハフスちょう
Ḥafṣ

北アフリカ,チュニジアのイスラム王朝 (1228~1574) 。ムワッヒド朝をつくった宗教運動であるムワッヒドゥーン運動の指導者の一人,アブー・ハフス (1176没) の流れをくむ王朝で,チュニジアと東部アルジェリアを支配した。第2代スルタン,ムンタシル (在位 1249~77) はカリフと称してアッバース朝の後継者をもって任じ,第8回十字軍を撃退したのをはじめ,ヨーロッパの君侯とも大いに戦った。その首都チュニスは,スペインから亡命したイスラム教徒の受入れ地となり,イスラム世界の文芸の一大中心地として繁栄を誇った。 14世紀以後は衰え,各地で小君主がなかば独立し,16世紀にはオスマン帝国やスペインの侵攻を受けて,その属国となった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

放射冷却

地表面や大気層が熱を放射して冷却する現象。赤外放射による冷却。大気や地球の絶対温度は約 200~300Kの範囲内にあり,波長 3~100μm,最大強度の波長 10μmの放射線を出して冷却する。赤外放射...

放射冷却の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android