日本大百科全書(ニッポニカ) 「バキュームカー」の意味・わかりやすい解説
バキュームカー
ばきゅーむかー
vacuum car
車載のポンプとホースで液体を自身のタンクにくみ上げて運ぶ自動車の総称。道路の側溝や暗渠(あんきょ)などにたまった土砂を洗い流し、吸い上げて運び、捨てる道路清掃車の一種なども、バキュームカーといえる。しかし、日本で一般にバキュームカーといえば、下水道や汚水処理設備のない地域で用いられる屎尿(しにょう)のくみ取り車をさす。走行用エンジンで駆動する毎分600~700回転、圧力1キログラム毎平方センチメートル程度のポンプをもつのが普通である。タンク容量は小型車で1700~1800リットル、中型車で3700リットル程度である。最近では各家庭を回る小型のものは、タンク上部に大きなホースリールを備えているケースが多い。
[高島鎮雄]