生ビール(読み)なまびーる

日本大百科全書(ニッポニカ) 「生ビール」の意味・わかりやすい解説

生ビール
なまびーる

加熱殺菌しないビール製品をいう。わが国ではドラフトビールdraft beerともよばれるが、ドラフトは本来、樽(たる)から注ぎ出すことで、樽詰生ビールの意。生ビールは、熱殺菌などによる香味の変化がなく、新鮮な香味が喜ばれる。70℃、20秒間といった瞬間殺菌法を用いたものも出現したが、高精度の無菌濾過(ろか)技術の進歩により製品の安定度が増し、生ビールへの嗜好(しこう)も高まって、生ビールのシェアは、1975年(昭和50)には9%であったものが、85年には40%、93年(平成5)には70%を超え、96年には99%を超え、数種の銘柄を除いてほとんどが生ビールになり、現在に至っている。ビヤホールへの容器は、かつては楢(なら)材の小樽が用いられたが、アルミニウムかステンレス製が使われるようになった。市販には瓶詰缶詰だが、缶詰の軽便さが好評である。

[秋山裕一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「生ビール」の意味・わかりやすい解説

生ビール
なまビール
draught beer

麦芽汁を発酵,熟成させ,ろ過しただけのビールのことで,加熱殺菌していないものをいう。多くは,樽詰であるが,近年は瓶詰のほか,缶詰もふえている。日本で製造されている生ビールは,アルコール分3~5%,炭酸ガス 0.3~0.5%を含み,加熱殺菌したビールと区別される。

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