日本大百科全書(ニッポニカ) 「バソフ」の意味・わかりやすい解説
バソフ
ばそふ
Николай Геннадиевич Басов/Nikolay Gennadievich Basov
(1922―2001)
ロシアの物理学者。初め医学を学ぶ。のちにモスクワ工科大学で物理学を学び1950年に卒業。レーベデフ物理学研究所の研究員を経て、1973年より1988年まで同研究所所長。この間1963年より母校の教授を兼ね、1966年よりソ連科学アカデミー会員。1988年以後もロシア科学アカデミーの指導的地位を占めていた。
1954年プロホロフと共同でアンモニア・レーザーを発見し、1963年半導体レーザーを開発した。さらに研究分野は広く、高出力レーザー、超短パルスレーザー、化学レーザーの開発および応用など、量子エレクトロニクス全般を含み、そのいずれの分野においても多くの優れた後継者を育てている。これらの量子エレクトロニクスの研究により、1964年、プロホロフおよびアメリカのタウンズとともにノーベル物理学賞を受賞した。さらに米国核融合エネルギー協会(FPA:Fusion Power Associates)功労賞(1990)など数々の国際的賞を受けた。
[佐藤 忠]