バッカナール(その他表記)bacchanale

デジタル大辞泉 「バッカナール」の意味・読み・例文・類語

バッカナール(Bacchanales)

サン=サーンスオペラサムソンとデリラ」の第3幕第2場で演奏されるバレエ音楽題名は「酒神の宴」を意味し、サムソンを捕えたペリシテ人たちの喜びの宴の場面を描いている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バッカナール」の意味・わかりやすい解説

バッカナール
bacchanale

古代ギリシアに起源する,酒と収穫の神ディオニュソス (バッカス) を祀る祝祭。初め,ディオニュソスに扮した踊り手の独舞を中央に,50人ほどの踊り手が輪舞を踊って収穫を祝う祭りであった。独舞は,作物輪廻に従い,生れ,悩み,しおれ,そして定めのときに再生すべく枯れることを表わす。初め田園の祭りであったが,やがて大衆による滑稽劇として,あるいは特定の家が司る秘儀の形でギリシア全土に広まった。特にアテネで行われた大ディオニュソス祭は,踊りのほか,行列,供儀,詩のコンクール,祝典劇など多彩な催しで構成された。ギリシア悲劇はここから誕生したといわれる (→アッチカ悲劇 ) 。神々などに扮した祭りの踊り手たちは,足を踏鳴らして渦巻状に踊り,恍惚状態となる。のちにこの祭りはローマに伝えられ,そのエロティシズムが優先されるようになって,紀元前 186年にその放埒さから禁止された (→バッカナリア ) 。今日の謝肉祭 (→カーニバル ) はこれらの祭りの名残りである。

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世界大百科事典(旧版)内のバッカナールの言及

【ワーグナー】より

…この間,50年にはワイマールの宮廷劇場で,F.リストの指揮により作曲者不在のまま《ローエングリン》が初演された。61年《タンホイザー》のパリ初演のために,第1幕に挿入するバレエ曲《バッカナールBacchanale》を作曲,この上演はオペラ座で3回行われた。 64年春,追放解除となってドイツに入り,バイエルン国王ルートウィヒ2世の招きでミュンヘンに居を構え,作曲に没頭したが敵も多く,いたたまれず翌65年スイスのルツェルン郊外トリープシェンに移った。…

※「バッカナール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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