ポルトガルの航海家。1500年から16年間インド南西部の港市カナノールのポルトガル商館に勤務し,東洋諸地域への航海に参加。その間の見聞に基づいて著した地理書《ドゥアルテ・バルボサの書》(1518)には,アフリカ東海岸からインド,香料諸島(モルッカ諸島),琉球,中国に至る各地の風俗,慣習,気候,地理,産物などが詳細に記録されている。その著書は当時のヨーロッパ人の東洋への関心や知識を知るうえで,イタリア人のバルテーマLudovico de Varthemaの旅行記とともに重要な記録である。 執筆者:重松 伸司