化学辞典 第2版 「バンスライク法」の解説
バンスライク法
バンスライクホウ
Van Slyke method
アミノ基(第一級アミン)またはアミノ態窒素を定量する分析法.D.D.Van Slykeの創案による.脂肪族第一級アミンは酢酸溶液中で亜硝酸と反応して,次式のように定量的にアルコールと窒素ガスを生成する.
R-NH2 + HNO2 → ROH + N2 + H2O
3HNO2 → HNO3 + H2O + 2NO
の反応で亜硝酸から副生した一酸化窒素は,アルカリ性過マンガン酸カリウム溶液で吸収除去し,窒素ガスのみをガスビュレットに導き,その体積を測定するか,あるいは検圧計で窒素の量を測定し,第一級アミンを定量する.芳香族第一級アミンは低温でジアゾニウム塩を生成し,加熱によって分解して窒素を発生する.また,アセト酢酸エステルのように活性水素を含む化合物は,亜硝酸と反応してオキシムを生成し,これが分解して窒素を発生する.定量装置には種々の構造のものがあるが,測容方式と測圧方式とに大別される.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報