バージー・ラーオ1世(その他表記)Baji Rao Ⅰ

山川 世界史小辞典 改訂新版 「バージー・ラーオ1世」の解説

バージー・ラーオ1世(バージー・ラーオいっせい)
Baji Rao Ⅰ

1700~40

マラーター同盟の第2代ペーシュワー(宰相在任1720~40)。シヴァージー直系のマラーター王権を名目化させ,王のもとで宰相が実権を握る独特の政体を完成させた。またムガル帝国が解体期にあることを見抜き,若い世代の将軍をムガル領に遠征させ,マラーター同盟の版図を急速に拡大させた。彼の時代に同盟はムガル帝国に対抗する大勢力に成長した。バラモンを大量に登用し,同盟のなかにおける彼らの地位を固めた。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バージー・ラーオ1世」の意味・わかりやすい解説

バージー・ラーオ1世
バージー・ラーオいっせい
BājīRāo I

[生]?
[没]1740
インド,マラータ王国の第2代宰相 (ペーシュワー,在任 1720~40) 。バーラージー・ビシュワナートの子。ハイデラーバードのニザームをくだしてのち,軍隊北方に向け,グジャラートマールワを確保してデリーを攻め,マラータの北インド領土拡大をなしとげた。彼は有能な将軍,外交家で,王国の実権を完全に掌握し,国王は名目的存在と化し,その後 19世紀初めまで世襲的な宰相がマラータ勢力を指導した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android