日本大百科全書(ニッポニカ) 「バーソロミュー市」の意味・わかりやすい解説
バーソロミュー市
ばーそろみゅーいち
Bartholomew Fair
イギリスの劇作家B・ジョンソンの喜劇。1614年初演。聖バーソロミュー祭の縁日、そのいかがわしさを含んだにぎわいに、さまざまな人物が集まってくる。自作の人形芝居の上演を見ようという代訴人、その身重の妻、ばか息子のコークス、清教徒のビジー、しもじもの愚行を視察しようと変装して潜り込む判事など。彼らは焼き豚とか安直なおもちゃなどにひかれて手を出す。どさくさに紛れて、コークスの婚約者に求婚する男たちの筋(すじ)も絡む。一方、市のほうでは、これらの連中をかもにしようと、すりの一味や怪しげな女たちが待ち構えていて、彼らを手玉にとる。縁日の祝祭的な雰囲気が、この劇作家にしては柔らかな扱いで表現されている。
[柴田稔彦]
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