日本大百科全書(ニッポニカ) 「パフアダー」の意味・わかりやすい解説
パフアダー
ぱふあだー
puff adder
[学] Bitis arietans
爬虫(はちゅう)綱有鱗(ゆうりん)目クサリヘビ科のヘビ。同科クサリヘビ亜科に属する有毒種で、アフリカ、アラビア半島に分布し、熱帯降雨林と砂漠を除く広い地域に生息する。全長90~120センチメートル、頭部は幅広い三角形で、胴が太く尾は短いずんぐり形をしている。地上性で体背面は灰褐色地に幅広い暗褐色の帯状斑紋(はんもん)が並び、サバナなど生息地では見分けにくい。行動は鈍いが攻撃はすばやく、被害が大きい。毒牙(どくが)は長い管牙で、主成分の強い出血毒のほか神経毒も多く含まれ、きわめて危険である。興奮すると胴を膨らませ、シューッと音をたてて威嚇する。卵胎生で、平均20~40頭、多いものは80頭ほどの子ヘビを産む。餌(えさ)はネズミ、鳥、トカゲ、カエルなどである。
[松井孝爾]