パーキング軌道(読み)パーキングキドウ

デジタル大辞泉 「パーキング軌道」の意味・読み・例文・類語

パーキング‐きどう〔‐キダウ〕【パーキング軌道】

人工衛星静止軌道に乗せたり、宇宙探査機地球重力圏外に向かわせたりする前に使われる円軌道。高度約200キロメートル。静止衛星の場合、通常、一周する前の適切なタイミングで打ち上げロケットエンジンの最上段を点火し、遠地点が静止軌道と同じ静止トランスファー軌道に移動する。待機軌道宇宙待機軌道

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パーキング軌道」の意味・わかりやすい解説

パーキング軌道
パーキングきどう
parking orbit

宇宙船などが目的の軌道に入る前に,いったん地球を回る軌道で,待機軌道ともいう。基地から打上げられた宇宙船などは,パーキング軌道を回る間に,各装置を点検し,時機をみてロケットふかし,再加速して地球を離れ,目的の月や惑星に向う。

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世界大百科事典(旧版)内のパーキング軌道の言及

【人工衛星】より

…したがって打上げ時の軌道制御は主として最終投入段階に対して計画され,具体的には打出しのタイミング,姿勢制御,さらに可能ならば噴射時間制御が行われる。静止衛星投入の場合には,この低高度軌道にいったん乗せた後(この軌道をパーキング軌道parking orbitという),さらにホーマン型移行(ホーマン軌道)と呼ばれる遷移軌道transfer orbitへの投入が行われる。静止軌道への最終投入は,この遷移軌道の遠地点でアポジモーター(小型の固体ロケット)を点火することにより行われ,衛星は静止軌道にきわめて近いドリフト軌道drift orbitへ投入される。…

【ホーマン軌道】より

…大きなエネルギーを必要とする惑星探査機ではホーマン軌道をとることはとくに重要であるが,気象衛星のような静止衛星を高度の高い静止軌道へのせる場合にもホーマン軌道が用いられている。すなわち,ロケットによって衛星は最初パーキング軌道と呼ばれる高度250km程度の円軌道にのり,その後ホーマン軌道によって高度約3万6000kmの静止軌道へと移行する。このとき,遠地点での速度変化にはアポジモーター(小型の固体ロケット)が用いられる。…

※「パーキング軌道」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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