日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒインコ」の意味・わかりやすい解説
ヒインコ
ひいんこ
lory
lorikeet
鳥綱オウム目ヒインコ科に属する鳥の総称。この科Loriidaeの仲間はインコとしては小形から中形で、全長15~32センチメートル。11属55種があり、太平洋諸島、モルッカ諸島、ニューギニア島、パプア諸島、北部オーストラリアに分布する。体はほっそりと締まり、尾はくさび状が多いが、オビロインコ類では短く角尾、パプアオナガインコでは中央尾羽がとくに長く、全長42センチメートルに達する。血赤色の羽色が特徴であるが、緑色の小形種イロドリインコ、緑や黄、青、赤の混じるゴシキセイガイインコ、赤に黒や紫斑(はん)のあるオトメズグロインコ類、暗赤血色のエビチャインコ、黒のスミインコ、紫青色で胸の白いノドジロルリインコなどもある。果実や花粉、花蜜(かみつ)食で、その適応として嘴(くちばし)は上品で多くは赤色、上嘴はやや長く前方に動きやすく、管状で先がブラシ状の舌が特徴である。赤い羽色も、花の赤色への保護適応色と思われる。
[黒田長久]