鳥類の翼の骨格に直接付着している堅い羽、すなわち風切羽の集合をいう。翼の後縁を形成して、飛翔(ひしょう)に重要な働きをする。外側から内側にかけて二つ、または三つに区分される。翼角(手首にあたる)から外側のものは、掌骨と第2指の指骨(第1、3指は矮小(わいしょう)化し、第4、5指はない)につき、初列風切primariesという。初列風切羽は、多くの鳥で10枚あるが、スズメ目では最外方のものが退化して9枚のものがあり、サギ類、カモ類などは11枚、カイツブリ類、フラミンゴ類などは12枚ある。一方、飛翔できない鳥では、ヒクイドリ類3枚、キーウィ4枚のように数が減っているものがあり、またレア類の12枚とダチョウの16枚はすべて飾り羽に変形している。翼角の内側の尺骨に付着しているものを次列風切secondariesという。次列風切羽の枚数は、ハチドリ類の6枚または7枚から、長大な翼のあるワタリアホウドリの32枚まであり、一般に翼の長いものほど枚数が多い。スズメ目では、ほとんどが9枚である。次列風切羽のうち、もっとも内側の3枚はしだいに短く階段状に重なる場合が多く、また飾り羽に変形することがあり、とくに三列風切といわれることがある。滑翔gliding flightまたは帆翔soaring flightするときは、翼全体が横いっぱいにほぼ水平に保たれて、揚力のみを発生させるが、博翔(羽ばたき飛行)flapping flightするときの初列風切は、打ち下ろしと打ち上げに伴い推力をも発生させ、鳥はこの力によって空気中を進むことができる。外方の数枚は飛翔にあたって互いに間隔を開いて隙間翼(げきかんよく)を形成し、翼端失速を防ぎ、打ち下ろしに際しては1枚ずつねじれてプロペラ効果による推力を発生させ、打ち上げに際しては隙間を空気が流れて力のロスを小さくしている。次列風切は内翼の後縁として、揚力の発生の一端を担っている。
[竹下信雄]
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加