知恵蔵 「ヒトクローン胚研究」の解説 ヒトクローン胚研究 患者のDNAが入った核を、核を取り除いた他人の卵子に入れて胚まで育てたものがクローン胚。そこから胚性幹細胞(ES細胞)ができれば、理論的には多様な細胞や臓器を作れるはずで、拒絶反応のない臓器作りに大きく近づく。だが、クローン人間の誕生にもつながる基礎技術だけに倫理面では賛否が割れている。日本では2001年に施行されたクローン技術規制法でクローン人間づくりは禁止され、クローン胚を作って研究することは同法に基づく指針で禁じられた。指針の是非について議論してきた総合科学技術会議の生命倫理専門調査会は04年、ヒトクローン胚作りを条件つきで容認。これを受け、文部科学省の作業部会が06年、「病気で摘出した卵巣などの無償提供は認めるが、ボランティアによる卵子提供は認めない」「提供者の相談に応じるコーディネーターを必ず置く」「サルなどで十分な研究実績を積む」などの条件を盛り込んだ指針案をまとめた。 (高橋真理子 朝日新聞記者 / 2007年) 出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報 Sponserd by