ひろしま(読み)ヒロシマ

デジタル大辞泉 「ひろしま」の意味・読み・例文・類語

ひろしま[書名]

(ヒロシマ)土門拳の写真集。広島の町や原爆被害者たちを捉えたもの。昭和33年(1958)に刊行され、国内だけでなく海外でも話題となる。第4回毎日写真賞、第2回日本写真批評家協会作家賞を受賞。昭和35年(1960)には東ベルリンの国際報道写真展で金賞を受賞した。
(HIROSHIMA)小田実長編小説。昭和56年(1981)刊。太平洋戦争捕虜となり、広島で被爆した米国人を主人公に、加害・被害の交錯する現代史の闇を描く。英訳もされ、昭和63年(1988)アジア‐アフリカ作家会議のロータス賞を受賞。

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デジタル大辞泉プラス 「ひろしま」の解説

ヒロシマ

那須正幹による児童文学作品。お好み焼き店を切り盛りする3代の女性を通じ、広島の戦後史を描く。「歩きだした日」「様々な予感」「めぐりくる夏」の3作からなる。2011年刊行。2012年、第52回児童文学者協会児童文学賞受賞。「ヒロシマ3部作」ともいう。

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世界大百科事典(旧版)内のひろしまの言及

【ハーシー】より

…作家シンクレア・ルイスの秘書を一時務めたが,《タイム》や《ライフ》の記者として第2次大戦に従軍,占領下のシチリア島を舞台にイタリア系のアメリカ軍将校が町の民主化に献身する姿をユーモラスに描いた小説《アダノの鐘》(1944)はベストセラーになり,ピュリッツァー賞を得た。その後,1946年広島を訪れ,原爆投下とその後の状況を人道主義の立場から調査・記録した《ヒロシマ》(1946)を週刊誌《ニューヨーカー》に発表,各地の大新聞にも連載され大反響を呼び,〈ノー・モア・ヒロシマズ〉などの平和運動展開の契機となった。単行本は49年に日本語訳された。…

【土門拳】より

…戦後は50年から雑誌《カメラ》の月例写真審査員として,〈カメラとモティーフの直結〉〈絶対非演出の絶対スナップ〉を標榜する〈リアリズム写真運動〉を主唱し,アマチュア写真家たちに大きな影響を与えた。《ヒロシマ》(1958),《筑豊のこどもたち》(1960)の両ドキュメンタリー写真集はその重要な成果である。また《古寺巡礼》シリーズに代表される仏像,寺院等の記録写真は,彼の日本の伝統文化に対する独自な解釈と,対象を凝視するレンズの非情な記録性が結びついた,稀有な作品群となっている。…

※「ひろしま」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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