日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ヒンドゥー・マハーサバー
ひんどぅーまはーさばー
Hindū Mahāsabhā
ヒンドゥーの優位性を説く現代インドの宗教的党派。1906年のムスリム(イスラム教徒)連盟成立に刺激されたヒンドゥーの一部がパンジャーブやベンガルを中心に結集し、15年に結成された。初期には国民会議派の指導者の多くもこれに関連したが、ヒンドゥー排外主義的色彩は急速に濃くなり、38年、国民会議派は正式にこれと断絶すると宣言した。第二次世界大戦前にサーバルカルV. D. Sāvarkar(1884―1960)が総裁となり、組織強化を行った。極端な反ムスリム、反パキスタンを掲げ、独立直後48年1月のガンディー暗殺の当事者もこの組織の関係者であった。独立後は政治勢力としては鳴りを潜めたが、一部は極右的民族奉仕団(RSS、1925結成)と強いつながりをもち、右翼政党ジャン・サング党の結成(1951)にも関係している。
[内藤雅雄]