20世紀西洋人名事典 「ビケンチーベレサーエフ」の解説
ビケンチー ベレサーエフ
Vikentii Vikent’evich Veresaev
1867.1.16 - 1945.6.3
ソ連の小説家。
トゥーラ生まれ。
本名スミドビチ〈V.V.Smidovich〉。
ポーランド系の医者の家に生まれ、ペテルブルグ大学卒業後、デルプト大学で医学を修め、医者の傍ら作家活動に入る。早くからマルクス主義文学者の仲間に参加。1895年発表の「道なくして」などでインテリゲンチャの思想的変遷を描き、ロシア知識人の年代記作家と呼ばれた。1901年発表の「医者の記録」は医者の直面する諸問題を赤裸々に描き文名を確立。1900年代にはゴーリキーの文集「ズナーニエ」に参加。日露戦争に参加し「戦場で」(’07〜08年)なども書く。又プーシキン、ゴーゴリーの精密な伝記的研究が有名。他の作品に「疫病」(1897年)、「姉妹」(’33年)等がある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀西洋人名事典」(1995年刊)20世紀西洋人名事典について 情報