ビッグマン(その他表記)big-man

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビッグマン」の意味・わかりやすい解説

ビッグマン
big-man

パプアニューギニアなどメラネシア地域にみられる伝統的社会の政治リーダーの一形態。通常村落レベルをこえた指導力をもつことはないが,ビッグマン同士で競合し,勝者がさらに大きな支持集団を得る例もある。指導力の源泉はビッグマン個人の力 (富の蓄積) である。儀礼的な贈与を通して人々に負債感を負わせ,それによってみずからへの支持を集める。したがって,世襲的な首長制とは区別する必要がある。

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デジタル大辞泉プラス 「ビッグマン」の解説

ビッグ・マン〔小説〕

米国の作家リチャード・マーステン(エド・マクベインの別名)の小説(1959)。原題Big Man》。

ビッグマン〔焼酎〕

オノエングループ・合同酒精製造・販売する焼酎の商品名。焼酎甲類

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世界大百科事典(旧版)内のビッグマンの言及

【ニューギニア[島]】より

…島全体で1000を超える異なる言語が話されており,部族単位で独自の文化をつくりあげている。ポリネシアなどと異なり世襲的な首長制はなく,富を蓄積しそれを人々に分け与えることで自らの指導者としての地位を保つビッグ・マンBig Manと呼ばれる人々が,主導権を握っている。【吉岡 政徳】
[ニューギニア島の部族美術]
 ニューギニア島では数多くの部族が密林にはばまれて互いに孤立し,それぞれ独自の文化を築きあげてきた。…

【パプア人】より

…儀礼が発達しており,多くはシングシングが伴う。リーダーシップは世襲ではなく,戦闘や部族間の交易によって築かれ獲得されたもので,氏族(クラン)ごとにいるリーダーはビッグマン(ピジン・イングリッシュで〈首長〉の意)と呼ばれた。ビッグマンは氏族の全面的支持を背景として対外関係を処理してきた。…

【メラネシア人】より

…メラネシアで複合的な政治組織が欠けている理由は明らかでない。各政治単位はビッグマンと呼ばれる1人の男によってリーダーシップがとられてきた。その地位は,部族間の武力争いや交易において名声を蓄積し実力で築かれたもので,世襲ではない。…

※「ビッグマン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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