サンタレン(読み)さんたれん(英語表記)Santarém

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サンタレン」の意味・わかりやすい解説

サンタレン
Santarém

ブラジル北部,パラ州西部の都市。中心集落はアマゾン川支流タパジョス川の最下流右岸に位置する河港都市で,州都ベレンの西約 700kmにある。 1661年イエズス会の伝道所が建設されたことに始り,のち要塞を中心に集落が形成され,1848年市となった。現在タパジョス川流域の商業中心地で,沿岸に産するローズウッド油,ゴム,木材,ジュートなどを積出す。市南方の標高約 120mのサンタレン台地はアマゾン流域有数の肥沃な農業地帯で,イネ,豆類,キャッサバなどの栽培が盛ん。アルミナ製油などの工場も立地。ベレンとマナウスの間のアマゾン川沿岸最大の都市で,同川を遡航する外洋船の寄航地となっているとともに,タパジョス川水運の起点であり,市から約 270km上流まで外洋船が遡航,川船によってさらに上流にさかのぼることができる。 1976年にはマトグロッソ州の州都クイアバから北上するトランスアマゾン・ハイウェーが市まで通じ,陸上交通の要地ともなっている。人口 26万 5105 (1991推計) 。

サンタレン
Santarém

古代名スカラビス Scalabis。ポルトガル中部,サンタレン県の県都テージョ川右岸にある港町。テージョ川下流の肥沃な農業地帯の商業中心地で,食品加工も盛ん。ローマ支配時代からの町で,国土回復運動の時期には重要な要塞であった。中世からの聖堂修道院,イエズス会の学校 (1676) などがある。人口2万 3690 (1991推計) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「サンタレン」の意味・わかりやすい解説

サンタレン
さんたれん
Santarém

ポルトガル中西部、リバテージョ県の県都で、同県の経済、文化の中心都市。テージョ川(タホ川)下流の右岸にある。人口2万7683(2001)。河港を有し、ぶどう酒取引の中心地。付近は農業地域で、オリーブ、穀物栽培が盛んである。ローマ時代に起源を有し、レコンキスタ(国土回復戦争)の時代には、イスラム教徒からのポルトガル南部奪回の橋頭堡(きょうとうほ)として重要な役割を果たした。その要塞(ようさい)やゴシック様式の教会、修道院などがある。騎乗して行うポルトガル式闘牛もみられ、毎年5月の農業祭りを中心に訪れる人も多く、観光が盛ん。

[田辺 裕・柴田匡平]

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