白檀(読み)ビャクダン

デジタル大辞泉 「白檀」の意味・読み・例文・類語

びゃく‐だん【白×檀】

ビャクダン科半寄生性の常緑小高木。高さ3~10メートル。幹は直立して分枝し、葉は長卵形で先がとがる。花は鐘形で円錐状につき、黄緑色から紫褐色に変わる。果実は丸く、紫黒色に熟す。材は黄色がかった白色で強い香りがあり、仏像・美術品・扇子線香などに使うほか白檀油をとり香料にする。インド東南アジアに産する。栴檀せんだん

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精選版 日本国語大辞典 「白檀」の意味・読み・例文・類語

びゃく‐だん【白檀】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ビャクダン科の半寄生の常緑高木。インド原産で、熱帯各地で栽培されている。高さ七メートルに達する。葉は柄をもち対生し、葉身は黄緑色を帯び卵状披針形で、長さ五~八センチメートル。雌雄異株。花は枝先か葉腋に円錐状につき、はじめ緑白色で、すぐ赤変。果実は径約一センチメートルの球形で黒く熟す。心材は黄白色で、芳香があり、古くから香料として珍重される。また、仏像や美術品の彫刻材とされる。材を蒸留し白檀油を製する。栴檀(せんだん)。白檀の木。
    1. [初出の実例]「合白檀誦数弐烈」(出典:法隆寺伽藍縁起并流記資財帳‐天平一九年(747)二月一一日)
    2. [その他の文献]〔旧唐書‐南蛮伝・堕婆登〕
  3. びゃくだんこう(白檀香)」の略。
    1. [初出の実例]「まうけられたるもの〈略〉麝香・びゃくだむ・蘇枋」(出典:宇津保物語(970‐999頃)菊の宴)
    2. [その他の文献]〔梁簡文帝‐謝勑銭并白檀香充法会啓〕
  4. 植物「いぶき(伊吹)」の異名

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