ビルマ美術(読み)ビルマびじゅつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビルマ美術」の意味・わかりやすい解説

ビルマ美術
ビルマびじゅつ

歴史的に3期に大別される。第1期は2~9世紀,第2期は9~13世紀の古典期あるいは純ビルマ的な時期,第3期は 13世紀以降で民俗芸術的な時期。ビルマの初期の仏像は,発見された断片からグプタ様式 (→グプタ美術 ) が変化したものである。 10~11世紀頃のものと思われるナ・ラオン・ジャオン寺のパネル装飾は,浮彫彫刻の最古のもので,ビシュヌ神の化身物語を表わしている。 11世紀前半にセイロン上座部仏教が入ってから,ビルマ美術の主題はジャータカによるものが多い。古典期のビルマ美術の代表例として,バガンアーナンダ・バゴーダの仏伝図やジャータカの浮彫があげられるが,絵画の遺品はほとんどない。 13世紀以後は,民俗芸術が発展し,精巧な木刻が作られたが,19世紀以降はビルマ美術の伝統が展開されるほどのものはなくなった。

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