ビンガム流動(読み)ビンガムりゅうどう(その他表記)Bingham flow

岩石学辞典 「ビンガム流動」の解説

ビンガム流動

ビンガム流動は降伏値をもつ物質の特別な場合で,次の式で表される.
 r-f=ηplD
r:ずれ応力f降伏応力D:ずれ速度,ηpl:塑性粘度(plastic viscosity)と呼ばれる物質特有の定数.降伏値までは弾性的に変形し,この値を超えるとニュートン液体のように流動性を示すようになる.降伏値をもつニュートン液体と見なすことができて,このような振舞をする例にはペイント,練り歯磨きバター石鹸,水で溶いたセメントなどのような物質があり,圧力を加えて管の中を輸送する場合に,流れの周囲だけが変形して管の中心部が流動しないで栓のような形状で固まったままで押し流される場合がある.非ニュートン粘性の一つである.

出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報

化学辞典 第2版 「ビンガム流動」の解説

ビンガム流動
ビンガムリュウドウ
Bingham flow

固体状物質が塑性変形するには,ある臨界応力(降伏応力)が必要である.塑性変形において,臨界応力後に塑性流動が生じ,応力とひずみ速度勾配が直線関係にある場合をビンガム流動という.この流動に従う物質をビンガム物体,または,軟塑性物体という.多くの泥状流動体,練り歯磨き,バター,せっけんなどは,ビンガム流動を示す.塑性流動において,応力とひずみ速度勾配が直線関係でない場合を準塑性流動という.これらの流動特性は非ニュートン粘性を示す.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

法則の辞典 「ビンガム流動」の解説

ビンガム流動【Bingham flow】

剪断応力がある限界値に達するまえは流れが生じないが,その値を超すと,剪断歪み速度に比例した剪断応力が付加されるような流体の動きをいう.

出典 朝倉書店法則の辞典について 情報

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