振舞(読み)ふるまう

精選版 日本国語大辞典 「振舞」の意味・読み・例文・類語

ふる‐ま・う ‥まふ【振舞】

[1] 〘自ワ五(ハ四)〙
① 鳥がのびのびと羽を動かして飛びまわる。
※文明本節用集(室町中)「翔 フルマウ 鳥翔」
② 思うままに事を行なう。のびのびと動作をする。
※宇津保(970‐999頃)吹上上「れいのあそびなどふるまひて、歌つくりなどしつつよみあげて」
③ ことさらに構える。威儀をつくろった挙動をする。
蜻蛉(974頃)下「六位なるものの太刀はきたる、ふるまひいできて、前のかたにひざまづきて」
行動や動作をする。
源氏(1001‐14頃)行幸「いまはましてしのびやかにふるまいたまへどみゆきにおとらずよそほしく」
[2] 〘他ワ五(ハ四)〙 もてなす。馳走する。接待する。
古今著聞集(1254)一八「今夜新蔵人ふるまはれて候。康光すでに沈酔にをよべり」
[補注]「観智院本名義抄」や「色葉字類抄」で「翔」を「ふるまふ」と読んでいるところから「羽を存分に振って自由に舞う」という「振るい舞う」が原義かと思われる。

ふる‐まい ‥まひ【振舞】

〘名〙
① 事を行なう様子、態度。行動や動作のしかた。挙動。
書紀(720)安康即位前(図書寮本訓)「若し威儀(フルマひ)言語(ことは)、如毫毛(けのすちはかりも)、王(きみ)の意(みこころ)に似(かな)はずは、豈為親びたまはむや」
浄瑠璃仮名写安土問答(1780)初「三好松永が乱を鎮めたる勇智の挙動(フルマヒ)。禁庭の御慮(おぼ)へ浅からず」
② もてなし。馳走。饗応招宴
大乗院寺社雑事記‐延徳三年(1491)正月二〇日「今日為御振舞、上下者共に、精進・不精進之用意之供御給之」
餓鬼晩餐(1974)〈富岡多恵子〉「親類縁者に精進落しのふるまいを存分にしたということだった」
③ 鳥が羽を動かすこと。〔黒本本節用集(室町)〕

ふれ‐まい ‥まひ【振舞】

〘名〙 「ふるまい(振舞)」の変化した語。
※俳諧・宗因七百韵(1677)「吉野の里のふれまひに行〈宗因〉 精進はいもせの山の中に落る〈弘氏〉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「振舞」の意味・読み・例文・類語

ふる‐まい〔‐まひ〕【振(る)舞(い)】

振る舞うこと。挙動。また、態度。「立派な振る舞い」「立ち居振る舞い
ごちそうをすること。もてなし。供応。「大盤振る舞い
物の動き。特定の条件下における物の作用性質。「分子振る舞い」「コンピューターウイルスの振る舞い
[類語]行動おこな行為きょ活動動き所行しょぎょう言動言行げんこう行状ぎょうじょう行跡ぎょうせき沙汰挙動一挙一動一挙手一投足こなし身ごなし身のこなし立ち居振る舞い挙措振り所作しぐさ素振り身振りアクション

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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