ピナコール転位(読み)ぴなこーるてんい(その他表記)pinacol rearrangement

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ピナコール転位」の意味・わかりやすい解説

ピナコール転位
ぴなこーるてんい
pinacol rearrangement

ピナコールを酸と処理すると脱水とともに転位がおこってピナコリンピナコロン)になる反応をいう(の(1))。この反応はメチル基のかわりに他のアルキル基アリール基をもつピナコール類(一般式RR'C(OH)C(OH)R"R)でも進行するので、このような反応を広くピナコール転位とよぶ(の(2))。ピナコール転位は酸により生成する炭素陽イオンを中間体として進むと考えられている。別名としてピナコリン転位ピナコロン転位の名でよばれることがある。

[廣田 穰 2015年7月21日]


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化学辞典 第2版 「ピナコール転位」の解説

ピナコール転位
ピナコールテンイ
pinacol rearrangement

ピナコロン転位,ピナコリン転位ともいう.ピナコールに希硫酸を加えて加熱すると,脱水とともに転位が起こってピナコロンを生じる反応をいう.

置換基 R1,R2,R3,R4 が異なる場合,転位生成物の混合物が得られるが,転位の起こりやすさはおよそアルキル > アリール > Hの順になる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピナコール転位」の意味・わかりやすい解説

ピナコール転位
ピナコールてんい
pinacol rearrangement

ピナコリン転位,ピナコールピナコロン転位ともいう。ピナコール類に無機酸を作用させるとき,脱水を伴って一方の炭素原子上のアルキル置換基もしくはアリール置換基が他の炭素原子上に転位し,ケトン誘導体 (ピナコロン ) を生成する反応。

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