化学辞典 第2版 「ピリジンアルカロイド」の解説
ピリジンアルカロイド
ピリジンアルカロイド
pyridine alkaloid
ピリジン,またはピペリジンの誘導体とみなされるアルカロイドの総称.代表的なものには,ナス科タバコ属植物,トウダイグサ科トウゴマの種子に含まれる,ニコチン酸の誘導体であるトリゴネリン,アレカイジン,アレコリン,ニコチン,ノルニコチンのほか,ピペリジン環をもつアナバシン,アナバサミンなどがある.後者には,ほかの植物に含まれるピペリン,ロベリン,コニイン,プソイドペレチエリンなどもあり,これらはアミノ酸から生合成される.そのほか,アクチニジン(マタタビ科植物),ゲンチアニン(リンドウ科植物)のように,テルペン骨核にアンモニア由来の窒素が導入されて,ピリジン環を形成したものもある.生体成分であるピリドキシン(ビタミン B6)やニコチン酸アミドもピリジンアルカロイドに属する.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報