改訂新版 世界大百科事典 「フィネス」の意味・わかりやすい解説
フィネス
finesse
スペクトル線の超微細構造やスペクトル線の輪郭を調べるのに,ファブリー=ペロー干渉計が用いられる。干渉計は,高反射率をもつ2枚の半透明鏡を,反射面を内側にして平行に向かい合わせてある。広がりのある光源からの光で照射すると,繰返しの反射干渉による同心円状の鋭い干渉縞が作られる。この干渉縞の鮮鋭さを表す量をフィネスといい,ファブリー=ペロー干渉計の特性を表す重要な量である。明るい縞(ピーク)の間隔は位相差で表すと2πであり,縞の半値幅をεとすると,フィネスは,で与えられる。ここで,
F=\(\frac{4R}{(1-R)^2}\)
で,Rは繰返し反射面の強度反射率である。なお,Fをフィネスということもある。反射率Rが大きいほど,縞の形が鮮鋭になる。
→干渉計
執筆者:朝倉 利光
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報