改訂新版 世界大百科事典 「フィロポイメン」の意味・わかりやすい解説
フィロポイメン
Philopoimēn
生没年:前253ころ-前182
古代ギリシア,メガロポリスの将軍,政治家。スパルタ王クレオメネス3世を破るにあたり武勲をたて(前222),その後アカイア同盟の将軍としてスパルタのマカニダスとナビスを破った。一時影響力を失ったが,前193年ころ以降はアカイア同盟の指導者として活躍。ナビス暗殺後スパルタを同盟に加え(前192),エリスとメッセネも加えて,アカイア同盟を拡大した。70歳のときに離反したメッセネを攻めたが,捕らえられて毒を与えられた(前182)。彼は〈最後のギリシア人〉と呼ばれたが,ローマのギリシア進出という重大時期に,スパルタを抑えアカイア同盟の勢力を伸長することしか考えられないという限界があった。
執筆者:古山 正人
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報