ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フェニック」の意味・わかりやすい解説
フェニック
Fenwick, Sir John
[没]1697.1.28. ロンドン
イギリスの陰謀家。軍人になって将軍にまで出世し,1677年からは下院議員にも選ばれた。名誉革命以後ジャコバイトになり,95年 R.チャーノックらと接触して,翌年のウィリアム3世暗殺計画に参画,国王暗殺後に反軍を指揮する予定であった。計画の発覚後潜伏し,不利な証人になる2人の者に金を与えて国外に去らせようとしたが,そのうちの一人が当局に通告したため逮捕された。刑を免れる魂胆から,ジャコバイト陰謀の全貌を打明けると申出て,王や下院の前でマールバラ (公)や S.ゴドルフィンが陰謀に関係していると証言し,動揺と混乱を引起したが,結局虚偽と断定され,私権剥奪法が通過して処刑された。なお私権剥奪法による処刑はこれが最後。
フェニック
Fenwick, John
[没]1683.12.
アメリカ植民地時代初期のイギリス人植民者。クェーカー教徒。 O.クロムウェルの配下であったが,クェーカー派に転じ,1675年ウェストジャージーのデラウェア川沿いのセーレムに,アメリカ最初のクェーカー植民地を建設した。
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