マールバラ(読み)マールバラ[こう](その他表記)Marlborough, John Churchill, 1st Duke of

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マールバラ」の意味・わかりやすい解説

マールバラ(公)
マールバラ[こう]
Marlborough, John Churchill, 1st Duke of

[生]1650.5.26. デボンアッシュ
[没]1722.6.16. バークシャー,ウィンザー
イギリス軍人。国王派のジェントリーの家に生れ,王政復古後,1665年ヨーク公 (のちのジェームズ2世 ) の小姓として宮廷に入り,67年近衛将校となった。 72~73年フランス援軍としてネーデルラント従軍。 78年アン王女の侍女セアラ (マールバラ〈公妃〉) と結婚。ジェームズ2世の即位後登用され,モンマス (公)の反乱鎮圧に活躍 (1685) 。 88年の名誉革命には,陸軍副司令官として,上陸したオランニェ公ウィレム (のちのウィリアム3世) の討伐に派遣されたが,最後にウィレム側に寝返り,翌年枢密院議員,伯爵となった。前王ジェームズ2世との通謀の責めで 92年公職を剥奪され一時投獄された。 1702年アン女王が即位すると,登用されてイギリス=オランダ連合軍司令官に任じられ,公爵となった。 04年8月オーストリアの名将オイゲン公と結んで,ブレンハイムでフランス軍に対して起死回生勝利を収め,以後ラミイイ (1706) ,オウデナルデ (08) の戦勝によって,スペイン継承戦争におけるルイ 14世の野望を阻止し,国民的英雄とたたえられ,感謝の印にウッドストックの地を与えられた (のちここにブレニム宮を造営) 。しかし 10年和平派のトーリー党政府が成立すると,妻セアラが女王に対する発言力を失ったこともあって,翌年末すべての公職を解任された。批判を避けて大陸に渡り,ハノーバー家と接触し,14年ジョージ1世の即位により軍職に復帰したが,健康が衰え,再度の活躍はみられなかった。ウィンストン・チャーチルは彼の子孫。

マールバラ(公妃)
マールバラ[こうひ]
Marlborough, Sarah Jennings, Duchess of

[生]1660.5.29. サンドリッジ
[没]1744.10.18. ロンドン
イギリスの軍人マールバラ公ジョン・チャーチルの妻。1673年ヨーク公妃メアリーの侍女になり,王女アンの信望を得て,1677~78年の冬の間にヨーク公のとりなしでマールバラ公と結婚。アンの即位後その友人として女官長のような地位につき,宮廷で勢力をふるったが,政争に巻き込まれ,従妹アビゲイル・マサムに女王の寵を奪われ,1711年宮廷を退いた。夫の進退,評判に大きな影響を及ぼした。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「マールバラ」の解説

マールバラ
John Churchill, 1st Duke of Marlborough

1650~1722

イギリスの軍人。ジェームズ2世に重用されたが,名誉革命の際はウィリアム3世側に走った。スペイン継承戦争に際し,アン女王治世中の1702年イギリス‐オランダ連合軍総司令官となり,フランスのルイ14世の誇る常備軍に対して04年ブレンハイムなどで勝利を収め,武名を轟かした。チャーチル(ウィンストン)の祖先。

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百科事典マイペディア 「マールバラ」の意味・わかりやすい解説

マールバラ

英国の軍人。ジェームズ2世に重用され,モンマスの反乱鎮圧に功をあげたが,名誉革命にはウィリアム3世を支持。アン女王にみこまれてイギリス・オランダ連合軍総司令官となり,スペイン継承戦争に従軍。1704年ブレンハイムの勝利でルイ14世の野望をくじき,国民的英雄となった。その功により女王からブレニム宮殿を与えられた。W.チャーチルはその子孫。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「マールバラ」の意味・わかりやすい解説

マールバラ
まーるばら
1st Duke of Marlborough John Churchill
(1650―1722)

イギリスの軍人。地主の家に生まれ、ヨーク公(後のジェームズ2世)の知遇を得て軍隊入りし、オランダ戦争、モンマス公の反乱鎮圧などに活躍した。1688年の名誉革命にあたってウィリアム(後の3世)側に寝返り、翌年新政府によって軍司令長官に任ぜられた。ウィリアム3世没後はアン女王の絶大の信任を得、スペイン継承戦争(1701~14)に全軍総司令官として従軍、1703年ドイツのブレンハイムでフランス・バイエルン軍に大勝して国民を狂喜させた。その後も大陸各地に転戦して勝利を収めたが、11年国内の政争に巻き込まれて解任された。18世紀前半を代表する軍人で、20世紀の政治家チャーチルの祖先にもあたる。

[大久保桂子]

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367日誕生日大事典 「マールバラ」の解説

マールバラ

生年月日:1660年5月29日
マールバラ公ジョン・チャーチルの妻
1744年没

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