日本大百科全書(ニッポニカ) 「セーレム」の意味・わかりやすい解説
セーレム(アメリカ合衆国、マサチューセッツ州)
せーれむ
Salem
アメリカ合衆国、マサチューセッツ州北東部、大西洋岸の都市。人口4万0407(2000)。電機製品、靴などの皮革製品、薬品などの製造業がある。1626年、ケープ・アンからの一団が町を設立し、1692年にはアメリカの歴史に残る「魔女裁判」「魔女狩り」の舞台となった。さらに、港が重要な役割を果たしたことから、長年交易の中心となり、独立戦争の際には150艘(そう)もの私掠(しりゃく)船が活躍した。市内には「魔女の家」をはじめ、1630年当時を再現した開拓村、ピーボディ・エセックス博物館、セーレム海事国立歴史地区、また作家ホーソンの生家などが保存されている。
[作野和世]
セーレム(アメリカ合衆国、オレゴン州)
せーれむ
Salem
アメリカ合衆国、オレゴン州北西部、ウィラメット川東岸の都市で同州の州都。人口13万6924(2000)。肥沃(ひよく)なウィラメット谷のほぼ中央部に位置する。野菜、果物、乳製品の集散地、市場として重要であり、大規模な缶詰、冷凍加工工場が目だつ。そのほか、製紙、織物などの工業がある。1840年にインディアン教化のためにメソジスト派の布教所が開かれたのが始まりで、1851年にはオレゴン準州の州都、59年に独立州となってからも引き続き州都の地位を確保してきた。しかし、洪水などの天災に悩まされ、本格的な都市発展は鉄道が開通した1871年以降になる。太平洋岸北西部地域ではもっとも古いウィラメット大学の所在地でもあり、白亜の大理石でつくられたモダンな州会議事堂が美しい。
[作野和世]