フェニルアセチレン(その他表記)phenylacetylene

改訂新版 世界大百科事典 「フェニルアセチレン」の意味・わかりやすい解説

フェニルアセチレン
phenylacetylene


エチニルベンゼンethynylbenzeneともいう。芳香族炭化水素うちアセチレン結合を有する化合物としては最も簡単な化合物。β-ブロモスチレンを水酸化カリウムで脱臭化水素することにより得られる。無色液体で,融点-44.8℃,沸点141.7℃。水に不溶。各種有機溶剤とよく溶けあう。アンモニア性銅塩および銀塩溶液を作用させると,アセチレンの場合と同様に,爆発性の金属化合物の沈殿を生ずる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 村井 真二

化学辞典 第2版 「フェニルアセチレン」の解説

フェニルアセチレン
フェニルアセチレン
phenylacetylene

ethynylbenzene.C8H6(102.13).C6H5C≡CH.α-またはβ-ブロモスチレンからアルカリで脱臭化水素させると得られる.わずかに刺激臭をもつ液体.融点-44.8 ℃,沸点142~143 ℃.0.9295.1.5485.λmax 235,240,245,260~280 nm(log ε 4.2,4.1,4.2,2.1~2.6).エタノールアセトンクロロホルムに可溶.アセチレンと同様,銀,銅などと爆発性の金属塩をつくる.[CAS 536-74-3]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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