改訂新版 世界大百科事典 「フェネダイ」の意味・わかりやすい解説
フェネダイ
Jakob Venedey
生没年:1805-71
48年革命期にかけて活躍したドイツの民主主義者。法律顧問官の子息としてケルンに生まれ,ボン,ハイデルベルク大学で法律を学ぶ。在学中ブルシェンシャフト運動に参加し逮捕されるが,1832年9月脱獄しパリへ赴き,シュスターTheodor Schusterらとともに義人同盟の前身である追放者同盟を創設。同盟機関誌《追放者》掲載の諸論文にみられる彼の基本的立場は,社会改良によって暴力革命の突発を回避するというものであり,その点で社会革命を主張するシュスターと対立し,この対立が同盟分裂の一因となる。48年革命においてはフランクフルト国民議会内の左派に属するが,その時点での政治的影響力はほとんどなかった。
執筆者:松岡 晋
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報