フェルミのパラドックス(読み)ふぇるみのぱらどっくす(その他表記)Fermi paradox

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フェルミのパラドックス」の意味・わかりやすい解説

フェルミのパラドックス
ふぇるみのぱらどっくす
Fermi paradox

地球外に文明がある可能性は高いと思われているが、なぜいままでその文明との接触がないのか、という矛盾をさす。物理学者フェルミが「宇宙人がいるならなぜ連絡してこないか」という形で最初に提言したのでフェルミのパラドックスとよばれている。星間通信ができる文明の数を求めるドレイクの方程式によればさまざまな仮定が必要であるが、通信可能な文明の数は1(地球のみの場合)よりもかなり大きくてもよいと思われる。それなのになぜ、現在まで宇宙人と接触(交信)できていないのか、という疑問が起こりうる。それに対して、宇宙人(地球外知的生物)はいないという仮説から、地球外生物は存在するが通信できるまで進化できていないという仮説までいろいろ考えられている。

[山本将史 2022年7月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

法則の辞典 「フェルミのパラドックス」の解説

フェルミのパラドックス【Fermi's paradox】

「もし宇宙人が存在しているとしたら,そいつは一体どこにいるのかね?」という有名なパラドックス.これに対してはいろいろな解決の可能性が現在も模索されている.動物園仮説*なども参照

出典 朝倉書店法則の辞典について 情報

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