フジウロコゴケ(読み)ふじうろこごけ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フジウロコゴケ」の意味・わかりやすい解説

フジウロコゴケ
ふじうろこごけ
[学] Chiloscyphus polyanthos (L.) Corda

コケ植物ウロコゴケ科の1種。渓流沿いの岩上、水中の岩上などに群生する。植物体は緑色で、長さ2~9センチメートル。茎は互いに絡み合って大きな塊になることが多い。葉には、茎の左右に2列につく広卵形の側葉と、茎の腹面に1列につく小形の腹葉とがある。側葉は、茎にほぼ縦につき、縁(へり)は全縁。雌雄異株で、胞子体はきわめてまれにしかつくられない。和名フジの語がつくのは、日本での最初の記録が富士山であったことによる。北半球温帯から寒帯にかけて広く分布し、日本では全国各地に普通にみられる。

[井上 浩]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

関連語 井上浩

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android