雌雄異株(読み)シユウイシュ

デジタル大辞泉 「雌雄異株」の意味・読み・例文・類語

しゆう‐いしゅ【雌雄異株】

単性花をつける植物で、雌花と雄花を別々の個体につけること。また、その植物。イチョウ・ソテツ・アサなど。雌雄別株

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精選版 日本国語大辞典 「雌雄異株」の意味・読み・例文・類語

しゆう‐いしゅ【雌雄異株】

  1. 〘 名詞 〙 植物で、雌花と雄花を別々の個体につけること。また、その植物。花は単性花で、雌花だけをつける株を雌株、雄花だけをつける株を雄株という。イチョウ、ソテツ、アサ、クワ、ホウレンソウなど。雌雄別株。二家。〔生物学語彙(1884)〕

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百科事典マイペディア 「雌雄異株」の意味・わかりやすい解説

雌雄異株【しゆういしゅ】

雌雄別株とも。種子植物で雌花と雄花をそれぞれ別の個体につけ,したがって個体に雌株と雄株の別のあること。イチョウソテツネズクワホウレンソウ,アマチャヅルなどにみられる。種子植物以外でも,雌雄の生殖器官を別々の個体に作ることをいい,アオミドロゼニゴケなどにみられる。受粉は種子植物では風,虫,鳥,水などによって媒介され,ゼニゴケなどの場合には,鞭毛をもつ精子が泳いで雌花に到達する。
→関連項目アオキ(青木)アオツヅラフジアカメガシワアダンイイギリイタドリイチイ(一位)イヌガヤイヌツゲイブキウェルウィッチアウコギウツボカズラウメモドキウラシマソウウワバミソウエビヅルオケラオニシバリオンタデカジノキカツラカナムグラカナリーヤシカヤカラスウリガンコウランカンノンチク(観音竹)キウイフルーツキハダ(植物)キブシキャラボククロウメモドキクロモクロモジケショウヤナギゲッケイジュ(月桂樹)コウボウムギゴシュユコリヤナギサクラタデサネカズラサルトリイバラサルナシサンショウ(山椒)シオデジャゴケ雌雄同体シュロ(棕櫚)シュロチクシンジュジンチョウゲ(沈丁花)スギゴケセキショウモソヨゴタイマ(大麻)タコノキタラヨウダンコウバイツクバネツルウメモドキトコロトベラドロノキナギナギイカダニガキネコヤナギハイネズハイマツハゼノキハナイカダハナノキパパイアパンパスグラスヒサカキピスタチオフウトウカズラフキベンケイソウホップホリーマオウ(麻黄)マキマムシグサマユミミヤマシキミムサシアブミモクセイ(木犀)モチノキヤドリギヤマノイモヤマハハコヤマモモユズリハ

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改訂新版 世界大百科事典 「雌雄異株」の意味・わかりやすい解説

雌雄異株 (しゆういしゅ)
dioecism

植物が雌花と雄花を別の個体にもつ場合をいう。種子植物の花は一般におしべとめしべをもち,両方の性を兼ねそなえた両性花hermaphrodite flowerであるのに対して,アカマツ,イチョウ,カボチャなどは単性花unisexual flowerであって雄花と雌花の区別をもつ。単性花は,同じ個体に両方のタイプの花をもつ雌雄同株(アカマツ,カボチャなど)と,雌花と雄花がそれぞれ別の個体についている雌雄異株(イチョウ,ソテツなど)とに区別される。雌花のみをつける株を雌株,雄花のみをつける株を雄株というが,雌株と雄株とで染色体構成を異にするものもある(雌株,雄株への分化にはホルモンが関与する)。種子植物以外でもアオミドロ,ゼニゴケやスギゴケの配偶体,スギナ,サンショウモ,デンジソウの前葉体などは雄性生殖器と雌性生殖器が別の個体につくられるので,雌雄異株と呼ばれる。ホンダワラは種によって雌雄同株のものと雌雄異株のものの両方がある。雌雄配偶体を同一花内にもつ両性花がもっとも進化した形であると考えられている。

 種子植物の場合は,受粉は風,虫,鳥,水などの媒介を通して行われ,またゼニゴケやスギゴケの精子は鞭毛をもち,雨が降ったときなどに泳いで雌花まで到達できるようになっている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「雌雄異株」の意味・わかりやすい解説

雌雄異株
しゆういしゅ

雌雄同株に対する語で、単性花をつける植物のうち、雄花と雌花とが別の個体に生ずる植物のこと。雌雄別種、雌雄異体、二家花(にかか)ともいい、雌花をつける植物体を雌株、雄花をつける植物体を雄株とよぶ。雌雄異株は木に多く、イチイ、イチョウ、アオキモクセイ、クワ、ヤナギなどが含まれる。草では、アサ、イタドリ、カナムグラ、ホウレンソウなどがある。雌株と雄株では染色体構成の異なるものもある。

吉田精一

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「雌雄異株」の意味・わかりやすい解説

雌雄異株
しゆういしゅ
dioecism

二家花ともいう。単性花をつける種子植物のうち,雌花と雄花とが別の株 (個体) に生じること。イチョウ,イチイ,アオキなどがその例。コケ,シダ植物でも,雌雄の生殖器官を別個の原糸体,前葉体上に生じるものに,この語を用いる。また,ポプラキヌヤナギのように外国から日本に渡来した植物のなかには,雄株だけしか知られていないものもある。

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