化学辞典 第2版 「フッ化セレン」の解説
フッ化セレン
フッカセレン
selenium fluoride
【Ⅰ】四フッ化セレン(selenium tetrafluoride):SeF4(154.96).四塩化セレンにフッ化銀を作用させて蒸留すると得られる.無色の発煙性液体.融点-9.5 ℃,沸点106 ℃.湿った空気中で加水分解しガラスを腐食する.エーテル,エタノール,硫酸,五フッ化ヨウ素に完全に溶解する.クロロホルム,四塩化炭素に可溶.フッ素化試薬に用いられる.[CAS 13465-66-2]【Ⅱ】六フッ化セレン(selenium hexafluoride):SeF6(192.96).鋼管中,セレン微粉にフッ素気体を作用させ,生じた気体を低温に導き凝集させると得られる.無色の気体.融点-50.8 ℃,昇華点-63.8 ℃.気体の電気絶縁体,半導体の製造などに用いられる.きわめて有毒で呼吸困難を起こす.[CAS 7783-79-1]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報