ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アリウス派」の意味・わかりやすい解説
アリウス派
アリウスは
Arianism
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翻訳|Arianism
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アリウスとその追随者をも含めた古代キリスト教の異端派。アタナシウス派と対立し,キリストの人性を主張し,三位一体説を退けた。ニケア教会会議で異端とされたのちも,一時勢力を挽回したが,結局テオドシウス1世のとき,ローマ帝国から最終的に追放された。東ゴート,西ゴート,ヴァンダルなどのゲルマン諸部族に民族大移動前より布教,伝播したが,これら部族の衰微により衰えた。
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…ヨーロッパにおいて,異端が問題となるのは,歴史的には,キリスト教の確立以降である。排他性のつよい一神教であるキリスト教にあっては,すでに2世紀から異端問題が発生し,とりわけ4世紀にキリストの属性をめぐる論争において,アリウス派,ネストリウス派などの異端が生まれた。ギリシア正教においても異端が生まれたが,ローマ・カトリック教会ではその後,中世11~15世紀にワルド派,カタリ派をはじめとする多数の異端運動が起こり,キリスト教会を動揺させた。…
…4世紀後半に複雑な様相を呈したアリウス派論争の終結に尽力したエルサレム主教。エルサレムは伝統的にニカエア派の主教座であったが,キュリロスはアリウス派のカエサレア主教アカキオスに推されて主教になった(349ころ)。…
…初期の東方教会の人々は公現祭をキリスト受洗の日,その神性顕示の日として祝った。彼らはアリウス派の人々で,イエスの受洗を重視し,降誕には意味を認めない人々であった。降誕のときからイエスの神性を信じる正統派キリスト教徒は彼らを異端と考えた。…
…2世紀以後の教会で三位一体がはげしく論じ合われたが,その理由の一つはこれをギリシア哲学の論理で説明することの困難にあり,いま一つは信仰内容そのものの把握の困難にあった。アリウス派は神の唯一性を強調してキリストを被造物とし,他方サベリウス派は三位の区別を優先させて一体性を後回しにした。多くの教父と第1ニカエア公会議(325)は〈一実体,三位格una substantia,tres personae〉の定式をもって三位一体を固守したが,三位の統一を宇宙の循環運動になぞらえるとか,三位の成立と働きを神の摂理に帰する以上には出ないということがあった。…
…ゴート人が定住した都市ではローマ人街区と新来のゴート人街区が区別される傾向があった。これはゴート人とローマ人の宗教の違いとも関連しており,前者はアリウス派,後者はカトリックで,少数派であったゴート人がアリウス派教会を核として定住したという事情も関係している。 テオドリック大王の対外政策は,とりわけ部族国家間の融和を図るための婚姻政策によって知られる。…
…そのうえ国王の側近や役人としてローマ人貴族も登用されている。さらに宗教面においても,ブルグント人は相変わらずアリウス派を信仰し続けていたが,グンドバート王はローマ人のカトリック信仰に対して寛容政策を実施し,ウィエンヌ(ビエンヌ)司教アウィトゥスと友好関係を保っていた。グンドバートの息子シギスムントSigismund王(在位515‐523)はカトリックに改宗するが,この改宗はむしろ,アリウス派ブルグント人の離反,次王グンディマルGundimar(在位524‐534)のアリウス派への復帰とカトリック聖職者の動揺と離反といった混乱を王国内に引き起こして,534年のメロビング朝王権の介入によるブルグント王国の滅亡を招くことになった。…
…宗教改革の結果ポーランドに生まれた改革派の一つ。過激な一派として知られ,アリウス派と呼ばれた。元来カルバン派の系統であるが,1562‐65年の教会会議でカルバン派から分かれた。…
…前268年,ローマ人は先住民のウンブロ・エトルリア人を征服し,リミニに植民地を建設した。ローマ教会とアリウス派とのあいだに聖体論争がもちあがり,359年,リミニで宗教会議が開かれた。4世紀ゴート族に征服されたが,538年,東ローマ帝国はこれを奪回した。…
…在位586‐601年。父レオウィギルド王の半島統一政策を助け,この間の体験から即位の翌年アリウス派からカトリックに改宗,さらに2年後の589年には第3回トレド会議を開いて,西ゴート王国のカトリック改宗を宣言した。これに対してアリウス派の反乱はあったものの,容易に平定された。…
※「アリウス派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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