大学事典 「フランス学生全国連合」の解説
フランス学生全国連合[仏]
フランスがくせいぜんこくれんごう
1907年に創設されたフランスで最も影響力のある学生団体。フランスの大学における研究体制や学生寮のあり方まで,さまざまな意見を表明している。アルジェリア独立運動以降の学生運動の高まりのなかで,多様な政治勢力や労働組合との連携が強化されたが,現在はレイシズムへの反対運動など社会的な関心が強化されている。2002年のフランス大統領選では,高校生全国連合(Union nationale lycéenne)と提携して,ジャン=マリー・ルペンの極右政党「国民戦線」に対する抗議運動を展開。高大連携の社会運動の中核を担い今日に至っている。近年では,ロマ出身の15歳のレオナルダ・ディブラニが学校行事のバスで移動中に警察に身柄を拘束されコソボに強制送還された,いわゆる「レオナルダ事件(フランス)」(2013年)において,全国規模の抗議活動を呼びかけたことであらためて注目を浴びた。
著者: 松浦寛
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報