フーリエ分光(読み)ふーりえぶんこう(その他表記)Fourier Transform Spectroscopy

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フーリエ分光」の意味・わかりやすい解説

フーリエ分光
ふーりえぶんこう
Fourier Transform Spectroscopy

分光分析において干渉分光器からの光をフーリエ変換して分光測光する手法。とくに分光に利用できる光量の少ない赤外線での利用が多い。固定鏡と移動鏡をもつマイケルソン型の干渉計を使い、試料に赤外線を照射して集めた光を、移動鏡を動かして二つの光の経路に分け、その二光束間の光路差を測定しながら、干渉縞(かんしょうじま)を測定する。その干渉パターンをフーリエ変換することにより、試料のスペクトルを取得する。赤外線領域では分子振動・回転励起によるスペクトルが多数存在していて分子に固有の形を示すため、分子の化学構造解析に非常に有用である。

[山本将史 2022年7月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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