ブラムホール(読み)ぶらむほーる(その他表記)John Bramhall

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブラムホール」の意味・わかりやすい解説

ブラムホール
ぶらむほーる
John Bramhall
(1594―1663)

イングランドの聖職者。ケンブリッジに学び、カトリック教徒との討論において頭角を現した。1633年トマス・ウェントワース(ストラッフォード伯)に従ってアイルランドに赴き、翌1634年デリーの主教となって、国教会のために尽くした。ピューリタン革命(1640~1660)勃発(ぼっぱつ)後も王党派として行動し、亡命を余儀なくされた。王政復古後イングランドに復帰し、政治家として活躍したが、1663年6月死去した。今日彼はホッブズとの両三度の論争によって注目される。彼は、該博なスコラ主義神学の知識を駆使して、ホッブズの唯物論的決定論を攻撃し、自由意志説を擁護した。著書には『巨鯨リバイアサンの捕獲』などがある。

[高野清弘]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android