改訂新版 世界大百科事典 「プジョー会社」の意味・わかりやすい解説
プジョー[会社]
Peugeot S.A.
フランス第2の自動車メーカー,プジョー・グループを傘下にもつ持株会社。本社パリ。グループの中心はプジョー自動車会社(以下,プジョー社と略)Automobiles Peugeot S.A.,シトロエン自動車(シトロエン社)Automobiles Citroën S.A.,タルボ自動車(タルボ社)Automobiles Talbot S.A.の3社である。
プジョー社は1896年に設立され,自動車の生産を始めた。シトロエン社は1919年設立され,34年には世界最初の前輪駆動自動車の量産を開始した。また同年にタイヤメーカーのミシュラン社が資本参加している。タルボ社は,35年設立のシムカ自動車会社が前身で63年にクライスラー社の子会社となり,69年にはクライスラー・フランス社と社名を改称した。これら3社は第2次大戦後から1950年代にかけて,政府の資金援助,中小メーカーの吸収により事業を拡大していった。74年プジョー社は,石油危機の影響で経営が悪化していたシトロエン社に対して資金援助し,76年にはミシュラン社所有の株式を全額買収して合併した。同年両社を統轄する持株会社プジョーシトロエン社P.S.A.Peugeot-Citroënを設立した。78年,同社は経営の悪化したクライスラー社から,クライスラー・フランス社および同社のイギリス,スペインの子会社を買収し,80年に社名をタルボ社とした。同年プジョーシトロエン社は現在の社名に改称,81年にはタルボ社を統合,現在の体制となった。販売台数は2004年には338万台,ヨーロッパではフォルクスワーゲン社に次ぐ。売上高553億ユーロ(2004年12月期)。
執筆者:鈴木 明彦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報