プラセオ塩(読み)プラセオエン

化学辞典 第2版 「プラセオ塩」の解説

プラセオ塩
プラセオエン
praseo salt

trans-ジクロロテトラアンミンコバルト(Ⅲ)塩[CoCl2(NH3)4]X(Xは一価陰イオン)の慣用名で,その緑色であることから名づけられた(対応するシス形は,その紫色にちなんでビオレオ塩とよばれる).現在ではほとんど使用されない.X は Cl が普通であるが,ほかのハロゲン化物イオンやNO2,NO3などの場合もある.一般に緑色の針状晶.水に可溶.アクア化しやすい.すなわち,水溶液は最初は緑色であるが,配位子の Cl がH2Oで置換されて紫色になり,さらに一つ置換されて赤色を示す.ビオレオ塩は,一般に青紫色で水に可溶.プラセオ塩より不安定で,水溶液はきわめてアクア化しやすい.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android