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移牧 いぼく transhumance

翻訳|transhumance

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

移牧
いぼく
transhumance

一年のうち,夏の酷暑期には家畜群を高地の牧場で飼い,冬が近づくと山を下りてふもとの牧場で飼うというように,山地を定期的に上下移動する形態。牧畜は,草と水を求めて移動する家畜群の運動系と人間の生活との共存関係の上に成り立っており,通常この両者の関係に応じて,遊牧,移牧,定住的牧畜の3つの形態に分類される。

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デジタル大辞泉の解説

い‐ぼく【移牧】

季節によってあらかじめ定まった放牧地に家畜を移動させる放牧の形態。→遊牧

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百科事典マイペディアの解説

移牧【いぼく】

風土性の違う二つの地域間で定期的に家畜群を移動させる牧畜形式。地中海周辺地域における羊群の大規模な移牧が典型的。夏季は暑気を避け周辺山地へ移動(正移牧)して山地の草原(アルプ)を放牧に利用,冬季は寒気と積雪による草の不足を避けて低地へ移動(逆移牧)する。
→関連項目牧畜

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世界大百科事典 第2版の解説

いぼく【移牧 transhumance】

移動形態からみた牧畜のやり方の一形式を指し,舎飼いによる定着的牧畜や遊牧と区別して,年に2回(または3回)移動先を定めて,夏営地,冬営地の間を季節的・周期的に移動する放牧形態のことをいう。羊,ヤギ,牛などは,家畜化以前より,夏は涼しい高地,冬は暖かい低地へと往復移動していたと考えられるが,家畜化後も,夏暑い低地では乳産も減り,肥育にも好ましくない。また冬高地では寒く,積雪でもあれば,草も不足するため,夏冬,牧地を替えて,垂直移動することが望ましい

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大辞林 第三版の解説

いぼく【移牧】

季節によって定まった放牧地に家畜を定期的に移動する放牧形態。夏期は涼しい高地、冬は暖かい低地へと垂直移動をするものが多い。アルプス山地・ヒマラヤ山地ほかで行われている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

移牧
いぼく

牧畜民とその家畜の季節的移動の一形式。ヨーロッパの古代ゲルマン人が行っていた放牧形式がもとをなすもので、彼らには定住の住居があって農耕を営み、ウシを重要家畜として飼っていたが、夏季はウシに与える高原の草を求めて家畜とともに移動する、いわゆる半農半牧の民であった。家畜を伴って移動する点では中央アジアの遊牧と類似しているが、定住して農耕生活をし、雑食性で群れをつくらないために遊牧民が嫌うブタを随伴している点で異なっていた。地中海式農業地域であるスペインフランススイスイタリアバルカン半島や北部アフリカでみられる家畜飼育法で、これらの地方の気候は夏季は乾燥し、冬季は多雨で湿度が高い。したがって、夏は乾燥のため良質な牧草が得られないので、雪解け水で潤されて柔らかい牧草が生育する山腹で放牧し、冬になって山地が雪で覆われるころ、暖雨で育った牧草のある低地へ家畜を降ろして飼育する。
 移牧は3種に分けられ、平地の住民が夏に山地へ家畜を送る正移牧と、山地の住民が冬に家畜を平地へ移す逆移牧と、山の中腹で農耕を営む住民が、夏はさらに高い山地へ、冬は平地へ移す二重移牧がある。[西田恂子]

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世界大百科事典内の移牧の言及

【メスタ】より

…13世紀につくられ,19世紀前半まで存続したスペインの移動牧羊業者組合。夏と冬,牧草を求めて家畜を移動させる方式(移牧)は,地中海世界をはじめかなりの地域で行われたが,カスティリャ中央高原の南北数百kmにわたる移動牧羊はその一典型をなした。レコンキスタ(国土回復戦争)の南進に伴って盛んになった長距離移動牧羊業は,13世紀中葉には,カスティリャ国王の特許状を得て,全国組織としてのメスタの下に結集した。…

【遊牧】より

…遊牧か否かの判定は家畜の移動の有無ではなく,それを所有管理する牧畜民の居住地の移動の有無によって区別される。 ところで移動するとはいえ,遊牧とは別に移牧というものがある。移牧とは,季節的な乾燥による牧草の枯死,または寒さと雪による草の欠如によって,同一牧地で牧畜を続行できず,夏は高地に冬は低地にと定期的にキャンプ地をかえて,放牧適地間を季節的に往復運動をする牧畜形式のことである。…

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