プラセーナジット(その他表記)Prasenajit

改訂新版 世界大百科事典 「プラセーナジット」の意味・わかりやすい解説

プラセーナジット
Prasenajit

古代インドコーサラ国の王。前6~前5世紀ころの人。生没年不詳。パーリ語でパセーナディPasenadi,漢訳仏典では波斯匿はしのく)とする。都のシュラーバスティー(舎衛城)にあって隣国カーシーも領有し,ガンガーガンジス)川中流域の北岸に君臨した。妹がマガダ国ビンビサーラ王の妃であったため,両国は友好関係にあったが,ビンビサーラの死後,その子アジャータシャトルと長期にわたって争った。仏教の保護者としても知られ,都に滞在中の釈迦をしばしば訪れている。釈迦を敬愛するあまりシャーキャ(釈迦)族の女性を妃に迎えようとしたが,誇り高いシャーキャ族は一族の男と奴隷女との間に生まれた娘を送ったという。この娘から生まれた王子ビドゥーダバは,のちにシャーキャ族を滅ぼしている。晩年,この王子と将軍に背かれ,国を追われてマガダ国の都ラージャグリハの城外で客死したという。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プラセーナジット」の意味・わかりやすい解説

プラセーナジット
Prasenajit

前6世紀~5世紀頃在世した波斯匿王 (はしのくおう) と音写される中インド,コーサラ国王。夫人とともに釈尊に帰依し,熱心な仏教信者として仏教教団を保護した。

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世界大百科事典(旧版)内のプラセーナジットの言及

【シュラーバスティー】より

…郊外には1863年にカニンガムによって発掘されたスダッタ(須達)長者の寄進した有名なジェータ太子の園林(祇園精舎)がある。当時のプラセーナジット(波斯匿(はしのく))王は,初めバラモン教の信奉者であったが,後に妃の勧めで釈迦に帰依している。【三友 量順】。…

※「プラセーナジット」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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