ビンビサーラ(読み)びんびさーら(英語表記)Bimbisāra

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビンビサーラ」の意味・わかりやすい解説

ビンビサーラ
びんびさーら
Bimbisāra
(前558ころ―前491ころ)

古代インド、マガダ国の王(在位前543ころ~前491ころ)。漢訳仏典では頻婆娑羅(びんばしゃら)と記す。アンガ国を征服して東方に進出し、北方の強敵コーサラ国やリッチャビ人から妃を迎えるなど、巧みな外交政策を推進するとともに、行政、軍事、徴税など内政上の改革を断行し、王国発展の基礎を築いた。ブッダ釈迦(しゃか))やジナマハービーラジャイナ教の祖)の庇護(ひご)者としても知られる。晩年は不幸で、王子アジャータシャトル阿闍世(あじゃせ))に幽閉され殺されたといわれる。

[山崎元一 2016年12月12日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビンビサーラ」の意味・わかりやすい解説

ビンビサーラ
Bimbisāra

[生]前543頃
[没]前491
古代インド,マガダ国の王 (在位前 550~前 491) 。頻婆娑羅 (びんばしゃら) とも書く。ブッダと同時代,今日のビハール州南部で,部族制の束縛を破って専制国家を築き,周辺の諸国を征服して,マガダ国をコーサラ国と並ぶ北インドの大国とした。ラージャグリハ (王舎城) に都を定め,その周囲では仏教などの新しい宗教が生まれた。仏教の伝説によれば,王は熱心な仏教徒であったが,息子のアジャータシャトルによって幽閉され殺されたという。

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