プレッスナー(読み)ぷれっすなー(その他表記)Hermut Plessner

日本大百科全書(ニッポニカ) 「プレッスナー」の意味・わかりやすい解説

プレッスナー
ぷれっすなー
Hermut Plessner
(1892―1985)

ドイツの哲学者。シェラー先駆者とする哲学的人間学創始者の一人。フライブルク大学などに学び、1951~1962年ゲッティンゲン大学教授。フッサール現象学の影響を受け、人間の現象学的分析を行う。彼は身体性を人間の根本的なあり方とし、人間は一方では生物学的な身体的存在者として環境に拘束されるが、他方、身体を「もつ」ものとして、状況からの独立性を身体そのもののうちにもち(世界開放性)、これによって社会や歴史をつくる存在者であるとする。この観点からデカルト的二元論実存主義、他方では行動主義などを批判し、諸科学を統合する一元的な哲学的人間学の構築を試みた。

[小池英光 2015年4月17日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android